5Gは到来しています-新車を買うのは今かもしれません!
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車の運転席をバックに5Gの文字

モーターショーへ行くと、自動車メーカーが好んで自社製品にキャッチフレーズをつけてやまないのは、お気づきでしょう。その理由は簡単であり、車の新しいセールスポイントを紹介することで、新車を買う時期が来たという明確なメッセージを伝えたいからです。

最近開催されたモーターショーで話題を呼んだキャッチフレーズといえば、間違いなく「5Gカー」でしょう。5Gカーに関する自動車メーカーと電気通信事業者と機器メーカーの協力に関するニュースは、インターネットも賑わせていました。訪れた人が「これはモーターショーなのか、テレコムショーではないのか?」と疑問を持っても許されていたでしょう。
毎年開催される世界的なテレコムイベントであるMWC バルセロナに参加する自動車メーカーが増加していることは偶然ではありません。テレコム業界と自動車業界は長きに亘り交差してきましたが、5Gは両業界のパートナーシップを全く新しいレベルへ高めてきました。

 

自動車が5Gに出会うとき

思い出してください。2G、3G、および4Gは、いつでもどこでも人々をつなげることに成功しました。今日、5Gのミッションは、「(IoE)Internet of Everything」を生み出し、その過程でインターネットの規模を劇的に拡大させることです。自動車が最も価値の高い財産の1つとしてネットワークに加わることは避けられません。また、5Gは、高速(4Gの50~100倍)、 低遅延(1ミリ秒未満)、および広範囲の接続性(1 km2で100万接続)という一連の強力な利点を提供します。自動車にとって驚くべきニュースです。

この間も、自動車は進化し続けてきました。車は単なる移動手段ではなくなり、電子化、スマート化、接続性、および共有化が進む中で新たな「ペルソナ」を獲得しました。この4つの発展は、基本的にデータにより可能になっています。インテルは、将来、自律走行車が毎秒0.75 GBのデータを必要とし、毎日約4,000 GBを使用すると推定しています。これは、将来の車は、燃料だけでなくデータを消費することを意味します。データの消費は、ユーザー体験および運転の安全性さえも決定付けるでしょう。いつの日か、自動車が動くデータセンターになると言っても過言ではありません。

誰でもデータの価値は接続を通して最大限に高まりうることを知っており、まさに、これを実現できるのが5Gです。「IoV(Internet of Vehicles)」のコンセプトの方が先んじていますが、5Gは、ゆっくりと、ただし確実にIoVの究極的なソリューションとして認識されてきました。自動車と5Gがつながるのは時間の問題です。

さらに、「5Gカー」を促進する流れは速度を増してきました。というのは2G、3G、および4Gのビジネスモデルは、「ミッション」が異なる5Gに完全に適用することはできないからです。従来の電気通信事業者は、IoVの恩恵を享受するために新しいアプリケーション・シナリオを緊急に見つける必要があります。自動車メーカーを含めて電気通信事業者以外の業者は、価値連鎖が確立される前に利益の一部を手に入れようと取り組んでいます。多種多様な企業が5Gカーへの投資を増加させていることは、それを裏付けています。

自律走行車は、5G技術の最も早いアプリケーション・シナリオかもしれませんが、IoVは5Gの最大のアプリケーション市場かもしれません。

業界の需要、政府の後押し、そして企業の努力が相まって、5Gカーの市場の活性化に寄与します。

 

将来の車の形

5G時代の自動車の変質に関しては多くの見解と憶測がありますが、最も差し迫った変化をまとめてみましょう。

自律走行車

「自律走行車」に関してほとんどの人が述べているのは、実際は一連の検知、意思決定、および実行技術により可能となったスマート閉回路制御システムが搭載された自律走行車です。本当の自律走行車は、もう1一歩進んで、V2X(Vehicle-to-Ev

過去には、携帯電話網(C-V2X)をベースとしてV2Xを実現する最大の衝撃は、ネットワークの遅延でした。たとえば、LTEをベースとするV2Xは、50~100ミリ秒の遅延がありました。つまり、高速での制動距離は、メートル単位で計測されます。理論的に、5Gは、1ミリ秒の遅延を達成できます。つまり、制動距離はミリ単位に短縮できます。このような5Gの能力は、自律走行車の非弾力的需要にピッタリです。5G オートモーティブ・アソシエーション (5GAA)などの業界団体による5GをベースとするV2X商用アプリケーションの幅広いプロモーションを考慮すると、理論が実践に移されるのは時間の問題です。

車内インフォテインメント

車内インフォテインメント・システムは、インターネットアクセスを必要とする最初の自動車部品です。5Gの運用が開始した時点で、人々が5Gの価値を直接体験するのは、たとえば、高解像度映画を即時ダウンロードする機能かも知れません。もちろん、5Gで実現される機能は、単なる映画のダウンロードに留まりません。下記の機能を組み合わせることで、将来の車内インフォテインメント・システムは、大きく差別化されるでしょう。

  • マルチディスプレイは、車内インフォテインメント・システムの主流となるでしょう。特に自律走行によりユーザーの手と目が解放されるため、5Gにより実現されるコンテンツを楽しむことは、ドライブ体験に不可欠となるでしょう。
  • 5Gは、大量のデータを使用して車両に入り込む VR/ARおよび他のアプリケーションも実現されるでしょう。可能性を想像してみてください…
  • バーチャルアシスタントなどのAIアプリケーションは、ドライブ体験のより標準となるでしょう。また、車内でのシームレスなクラウドサービスも提供してくれるでしょう。
  • 高解像度ナビテーションが実現されるでしょう。各車両は、5Gを介して交通状況をクラウドへリアルタイムで送信することにより地図に寄与できるでしょう。

車両の使用および保守

厳しい現実は、5Gにより4Sショップ(自動車販売、部品販売、アフターサービス、情報提供を行う店舗)が倒産を強いられる可能性があることです。たとえば、車内センサーは、車内の主要部品の動作を記録し、監視および分析のために5Gを介して4Sショップまたは自動車メーカーへデータを送信するようになります。つまり、将来の保守および修理は、マイルまたは時間ではなく、ニーズに基づいて行われるようになります。新しい5GベースのIoT(モノのインターネット)は、私たちが慣れているビジネスモデルを変化させ、ユーザーと自動車メーカーとアフターサービス・プロバイダの関係を再定義することになるでしょう。

想像してみてください。たとえば、車両データは、5Gを介して保険会社と広範囲に共有することができるため、製品の設計、販売、車両検査、および保険請求プロセスに大きな影響を及ぼすでしょう。事実、技術を先取りする多くの保険会社は、この目的で5G技術を活用する可能性を既に熟考しています。

もう少し将来を見て、自問してみてください。自分の車を持つ必要があるでしょうか?5Gは、共有を新たなレベルへ高め、一世紀に亘る私たちの自動車に対する考え方に革命を起こすかもしれません。

データによると、2035年までに自動車業界、サプライチェーン、および顧客に2兆4000億ドル以上の収入をもたらし、5Gに期待される世界の経済的影響の5分の1を占めることになります。「5Gにより変質する自動車」が現実となるのは避けられないでしょう。明らかに、5Gは、到来しています。5Gスマートフォンに切り替えるだけでなく、5Gカーへの切り替えを検討する時期かもしれません。

 

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