充電インフラの整備で持続可能な技術発展を牽引

グリーンモビリティに関する意識の高まりを背景とし、ネットゼロ・エミッション、低騒音、ハイパフォーマンスを特長とする電気自動車が新しい時代の交通機関として高く評価されています。そして、EV(電気自動車)の「エネルギー補給場所」である充電インフラは、その技術の奥行きと成熟度が、EVの普及と応用を直接左右します。
中国電気自動車充電インフラ促進聯盟が発表した資料によると、2023年11月時点で中国の充電インフラ保有量は前年同期比で67%増の826.4万台に達し、またこの増加の動きは現在なお加速し続けています。新エネルギー市場の拡大がさらに進む将来、充電インフラの整備は、世界の持続可能なビジネスの推進において重要な役割を担います。
急速充電、超急速充電:EV発展における新しい速度
ここ2年、EVの市場規模は拡大し続けたものの、エネルギー補給時間が長すぎることが消費者の購買意欲に影響しました。これを背景とし、急速充電と超急速充電をキーテクノロジーとして一充電走行距離に対する懸念を解決しようとするスピードレースへの参入が業界全体で進められています。
急速充電は、一般に高出力DC充電を採用し、電流や電圧を上昇させることで充電時間を短縮し、電動車の短時間大容量電力補給という目標を実現します。DC充電スタンドに内蔵されたコンバータモジュールは、車載充電器を使用せずに、電力網やエネルギー貯蔵設備の交流電力を直流電力に変換して直接車内バッテリーに入力することで、急速充電を可能にします。
このほか、制御システムも急速充電の実現において大変重要です。高圧の充電設備は変換中にEV上のバッテリー管理システムと互換性がある必要があり、電池の状態に応じて即時に充電計画を変更することで、安全を確保し、バッテリーの寿命を保障しながら急速充電を実現します。急速充電方式の電流と電圧は一般に150~400A、200~750Vで、出力は50kWを上まわります。テスラのV3スーパーチャージャーは急速充電方式の代表格で、出力が250kWに達し、半時間で80%まで充電することができ、充電率はほぼ2Cに相当します。
当然、真の「超急速充電」効果の実現は簡単なことではありません。スーパーチャージャー、高圧急速充電対応新エネルギー車、ハイレート電池が揃ってこそ、充電時の最大出力を実現できます。しかし、急速充電と超急速充電技術が進展しても、充電施設の配置不足、充電インターフェースの標準化、煩わしい充電プロセス等、多数の制限が残り、運用範囲が限られています。このため、充電方式の革新が重要視されるようになりました。
そこで、ワイヤレス充電技術がEV充電分野の新たな勢力として注目されています。ワイヤレス充電技術はケーブル充電の煩わしさを緩和し、面倒なプラグの抜き挿しや、車内のほこりや湿気によるケーブル損傷の懸念を解消します。
この充電方式により、車両と充電設備の接続が常に安定し、プラグの挿し忘れやケーブルの断線による充電中断のトラブルが皆無になり、至便性が大きく向上します。
将来、急速充電、超急速充電、ワイヤレス充電等、様々な充電方式により、充電インフラのシステムが多様化し、より便利で高効率な充電サービスを提供できると見込みます。
(Image courtesy of: 699pic)
EV、移動する「エネルギー貯蔵装置」
EVの航続力と充電効率が改善されるにともない、EVの応用がさらに拡大しました。EV用バッテリーの貯蔵能力の活用に向けて、V2G技術の導入が広く期待されています。
V2GはEV特有のエネルギー貯蔵機能と電力網の「二重利用」を実現する技術です。電力網システムの統合制御により、オフピーク時は車両を計画的に充電し、ピーク時は貯蔵したエネルギーを電力網に放出することで、莫大な数を有するパワーバッテリーをピークカット、電気エネルギーの質改善、再生可能エネルギー消費が可能な尖頭負荷発電所として機能させます。
この技術は、スマート充電設備、EVのバッテリー管理システム(BMS)、電力網管理システムの3つを要件とします。スマート充電設備は電力網・EV間の電気エネルギーの双方向充放を可能にし、BMSはバッテリーの状態を監視し、充・放電の安全性と効率を確保します。電力網管理システムは、電力の需要と供給状況に応じて即時に電気エネルギーの移動方向を調節します。V2G技術は、この相互作用により、EVを単純な乗り物から電力網の「エネルギー貯蔵装置」に変え、今後のエネルギーシステムのイノベーションにおける新たな道を切り開きました。
アヴネットのワンストップ・エンパワーメント、インフラ改善をサポート
世界最大の電子部品と組込みソリューションの販売代理店であるアヴネットは、卓越した産業チェーン統合能力と豊富なエコシステムの資源を運用し、製品と技術サポートの2つの強みを中核とするワンストップ式ソリューションを提供しています。充電効率向上のニーズへの対応として、2KW~20KWをカバーする高機能フルブリッジ型コンバータによるバッテリーチャージモジュールソリューションを発表し、さらに充電インフラ改善のために、完全なEV充電システム構築モジュールソリューションを提供しています。これらの高機能なソリューションは、充電インフラの発展を促進し、最終顧客に至便性、安定性を実感いただく充電サービスを目指すものです。
2KW-20KWフルブリッジ型コンバータによるバッテリーチャージャーモジュールは、三相PFC+位相シフト/LLCフルブリッジトポロジー+補助電源により構成し、様々な高圧パーツを搭載することで、各種規模と種類のEVの充電ニーズに対応し、充電の安全性を確保します。また、電動車充電システム構築モジュールは、EV充電モジュール化とカスタマイズソリューションにより、充電インフラの構築とメンテナンスを大幅に簡略化します。これらの構築モジュールには、充電スタンドの中央制御、データ通信、その他の補助サービス機能の設計を支援するメインプロセッシングボード、通信ボード、サービスプロセッシングボードが含まれ、EV充電システムの構築をより高速、良質、堅牢にすることができます。
(写真提供元:アヴネット公式サイト)
まとめ:
充電インフラが相次いで完備される中、EVを中心とする新エネルギーネットワークによるグリーンモビリティ革命が推し進められ、持続可能なエネルギー体系への転換が加速しています。この転換は、交通分野におけるカーボンフットプリント削減に役立つのみならず、新しい技術によりエネルギーシステム全体の効率と信頼性を高め、人々をよりスマートでグリーンな未来に導いてくれます。
ソリューション:https://www.avnet.com/americas/resources/article/future-of-ev-charging/
https://www.avnet.com/americas/resources/article/integrating-ev-charging-with-matter-and-the-smart-home/
https://my.avnet.com/silica/solutions/markets/smart-city/ev-charging/
