ノーコード設計は、どのようにインダストリアルIoT 開発を加速化できるか

ノーコードおよびローコード・ツールは、自動コード生成において最新の発展型です。自動コード生成の利点は、最初のプログラムが手書き記述された後、明らかになりました。明確に定義された規則に従うものは何であれ、自動化することに多くの意味があります。プログラミング言語の文法と意味は、規則の良い例です。規則に従うなら、実行可能なコードに行き着きます。
これは、ソフトウェア開発に対するノーコードまたはローコード・アプローチの背後にある理論です。抽象化レイヤーを引き上げ、グラフィカル・インターフェースを使用して複雑さを隠します。ウェブ開発者は、WYSIWYG(見たままが得られる)革命により、これを捉え、より素早く簡単にウェブサイトを開発できるようになりました。
また、このような規則は、自動化において見える範囲を必然的に制限しなければならないことを意味します。実行できる処理を制限することは、自動化を実現する唯一の方法です。限られた柔軟性は、初期のWYSIWYGウェブツールの特徴の1つでした。
これは、コンパイルできても洗練されていないコードにつながる可能性があります。しかし、自動コード生成による生産性向上は、生成されるコードの細かい制御の欠如を埋め合わせるはずです。多くの鍛錬された開発者の場合、自動コード生成は適切な条件でのみ使用されます。技術者は、コードのサイズや性能が重要となりうる組み込みレベルの場合、今後も頻繁にほとんどのコードを記述するか、少なくとも手作業により最適化を行うでしょう。
ローコード・プラットフォームは、簡単なデスクトップまたはモバイルアプリケーションの開発に既に使用されています。企業の分野では、ローコードまたはノーコード・プラットフォームのアプローチでさえ、普及しつつあります。これを使用するなら、ニーズやアイディアのある人は誰でも、クラウドまたはデスクトップPCで稼働するアプリケーションを開発できます。つまり、ソフトウェア技術者でなくても自分のインスピレーションを活かして、顧客の使用に耐える十分な安定性を備えたソリューションをはるかに簡単に開発できるのです。
これら企業向けソリューションでは、設計に対してドラッグ・アンド・ドロップ・アプローチを使用しています。また、複雑な機能およびプロセスの構築では、あらかじめ定義された構成要素を使用します。これはスクリプト言語を使用して他のデスクトップ・アプリケーションを自動化するのと同じであり、テキストの代わりにグラフィックを使用するだけです。
ここで重要なことは、ハードウェア・プラットフォームが、一般的に同一であり明確に定義されていることです。携帯電話は、2つの主流のオペレーティング・システムのいずれかを使用しており、デスクトップおよびサーバーは、同じパターンに従う傾向にあります。根本のプラットフォームで何ができて何ができないか理解することで、ノーコード・アプローチが効果的になるのです。しかし、根本のプラットフォームがはるかに多様な組み込み分野に、それを移行できるのでしょうか?
インダIoTにおけるノーコードハードウェア
IoTにおいて、ノーコード設定の考え方は根付き始めています。この場合、ニーズは技術者ではない人が開発することではなく、IoTソリューション全体の開発に伴う課題の大きさに対処することにあります。1つのセンサをインターネットへ接続することはさほど難しくないかもしれませんが、複雑な接続システムの開発には、ポイントツーポイントの接続よりも多くのことを伴います。複数のセンサ、アクチュエータ、およびコントローラを組織全体で導入して作動することは大仕事です。また、各デバイスが低位の設計および設定を必要とするため、ミスの可能性が高くなり、必要な時間と労力も増えます。
ノーコード戦略へ移行することにより、生産性を向上させ、設計の複雑さを減らすことができます。また、ノーコード・アプローチを使用することにより、導入前に設計の機能をより簡単に検証できます。というのも、このツールは機能を暗黙的に理解するからです。これにより、結果を簡単にチェックして導入を検証することができます。低位のソフトウェアのテストは、ハードウェアを用いる場合でも簡単ではありません。意図が機械読み取り可能な方法で記述されていないからです。
しかし、技術者であれば誰でも知っているように、組み込みシステムは企業プラットフォームとも、従来のコンピュータとも異なります。それぞれが低位の違いがあります。組み込みソフトウェア生成の自動化を目指すツールは、これを承知し理解しなければなりません。
この明らかな課題にも、解決策はあります。1つは、開発キットや評価モジュールなど、半導体メーカーがコンポーネントをサポートするために提供している標準ハードウェアに集中することです。これには、コード作成ツールプロバイダによる多大な努力が必要です。つまり、商業的な制約によりサポートできるボードの数が制限されます。これは、特に多くの初期の例で見られたように、コード生成プラットフォームがオープンソースまたは無料使用の場合に言えることです。
このアプローチの変化形は、1つの種類のハードウェアにのみ集中することです。組み込み分野において、Arduinoは最も有名で最も採用されているプラットフォームの1つです。Arduinoプラットフォームを多少としたローコード/ノーコード・ソリューションの複数の例があります。
このアプローチは有効ですが、課題も伴います。各例のハードウェアは、産業アプリケーション向けに最適化されていません。典型的なワークフローにおいて、開発キットおよび評価モジュールは、本番リリースへ向けた足掛かりの1つです。通常、顧客は自社の製品で同じ回路設計を使用できるため、同じコードを実行できます。しかし、それでも本番アプリケーション向けに評価モジュールを最適化するためには、一定の設計作業が必要です。

