IoTのためにナノパワーを再定義

今日のIoTのトレンドは、AIやブロックチェーンなどの輝かしい対象が取り沙汰されていますが、IoTの最も革命的な部分が、設計者が日々考えを重ねているデバイスの中にあるとしたらどうでしょうか?
調査が示すところでは低消費電力IoTは単に成長市場であるだけでなく、今後5年間にわたって26億ドルを容易に超える投資の原動力となり得るのです。
これを単に接続性と通信のプロトコルとしてのLoRaWan(無線ネットワークの名称)強化、あるいは単に MCUからの改良したパワー電源管理, に対する関心の延長として概念化することは簡単ですが、このパワーの多くの部分がナノパワー、とくにアナログナノパワーに基づいているのです。
ナノパワーの定義を覆す
今日ナノパワーと言えば、単に静止自己消費電流1µA以下のデバイスと簡単に定義されているようです。
言っていることは正しいですが、それでは最先端の知能をもたらす技術革新、またはアナログの次世代領域において持つナノパワーの意味の全貌を十分に捉えたことにはなりません。
それでは、ナノパワーは、何を持って定義することができるのでしょうか?それは、革新に拍車をかける力です。
それは、パフォーマンスを維持しつつ、高い効率と長いバッテリー寿命を誇る新しい世代の超低消費電力デバイスにより新たなアプリケーションを可能にします。それは、SWaP(サイズ、重量、消費電力)すべての要素を備えています:サイズの小型化、熱放散の低減など、次世代技術の開発に必要となる機能が小型サイズに備わっているのです。
それは、バッテリーの寿命を延長します。それは、諸機能を切り離して効率を改善します。それは、さらにシステム管理の強化を可能にします。それでもなお、ナノパワーが将来の革新力にどのような影響を与えるかについてはまだまだ様々な考え方があります。
新しいアプリケーションのための技術
業界のトレンドを見ていくと、ナノパワーをその機能性に利用することが可能な、または必要な多くのデバイスが他にもあります。日常的に行っている物事を「スマート」化するIoTへの適用可能性はさらに高いでしょう。
今一度、スマートロックを例にとって考えてみましょう。機能が必要な時間は(おそらく1日に数時間)で極めて短いにもかかわらず、不具合の影響は非常に大きいのです。したがって、ナノパワーとその公称静止自己消費電流の休止特性の強化とにより、常時稼働可能である状態を確保し、また、技術が最も必要とされる際にこれを休止する可能性のあるシャットダウン電流を引き上げます。
ナノパワーにより、設計者は、スマートデバイスデザイン決定を通じて、これらの設計内容を決定する可能性が広がるのです。稼働のタイミングの選択および特定の休止状態、測定および伝送時間を追加することは、従来バッテリーがボード上でもっとも大きく重い部品でありネックとなっていましたが、ナノパワーにより幅広い種々のアプリケーションを増強することが可能となります。
幅広い接続技術に影響を与える

スマートロックを例に取れば、これが1軒の家から、1区域、街全体のスマートビルディングへと広がります。ナノパワーを利用すれば、スマートシティにおける影響だけ見ても、以下のように驚異的です:
- ナノパワー技術が、ビルのインテリジェント化と効率化を高める、安全設備、環境センサー、冷暖房換気空調(HVAC)、照明などを接続するスマートビルディング
- より住みやすいエコシステムのために、温度、主要な空気汚染物質、大気圧、照明、振動、周囲の音響の強さ、歩行者および車両交通をモニターするスマートな環境
- 設備効率および利用者体験を改善しつつ交通渋滞を緩和できるスマート駐車ソリューション
低遅延、リアルタイムの決定が、データのボトルネックを緩和し、効率的なパワーが、先端デバイスが本来持っている機能をよりスマートにするだけではなく故障、停止を予測したり、これまでより高い効率で利用できる方法を見つけるなど、人工知能の影響を増強する。
ナノパワーは、業界の流れを変えるアナログパワーの数々の特色のひとつです。
ナノパワーによる稼働時間の延長は、アナログが革新を推進している方法の一つにすぎません。小型サイズで低温度であるとともにバランスのとれた高性能を提供するバック、ブースト、およびバックブースト切替調整器、あるいは高い精度と低ノイズ稼働のバランスがとれたLDOについて考えてみてください。
これらすべてのニーズのバランスをとっていくことは、次世代IoTアプリケーションにとって不可欠です。革新に活力を与える際、このユニークな融合を熟考するお手伝いができる、強力なアナログパートナーが存在します。
アナログの重要事項について詳細をご覧ください。

