ひらめきの瞬間
Ubicquia の Kairo が世界中の都市をスマートシティに変身させています。Kairo は、既設の街路灯に装着するタイプのカスタマイズ可能なルータです。 共同設立者であるトレ・ジマーマン(Tre Zimmerman)氏が Kairo 開発の着想を得たのは、自宅の外に設置されていた街路灯でした。 Ubicquia は当時、IP カメラとスマート水道網を利用するローマの IoT プロジェクトに取り組んでいました。 直面していた最大の課題は、デバイスを 1 日 24 時間稼働させて、必要なデータを記録することでした。 「リチウムイオン電池のコスト、ケーブルのコスト、光ファイバのコストなどが、プラットフォームに大きな打撃を与え始めていました」とジマーマン氏は述べています。 そんな時、息子の部屋から外を見て、午後 2 時だというのに街路灯が点灯していることに気付きました。
「その街路灯に電気が送られていることをあらためて認識した私は、その電気を利用する方法はないかと考えました。 世界中の主要都市には 120 フィート(約 36 メートル)ごとに街路灯が設置されています。 計算してみてください。 2 億 5,500 万本の街路灯がインターネット接続されるのを待っていることになります。」
既存の街路灯ネットワークを利用する Kairo は、一夜のうちに都市をスマートシティに変えます。 深刻な大気汚染に悩まされているサンパウロのような都市では、街路灯のヘッド部分に Kairo を差し込むだけで、汚染センサーのネットワークが突如として誕生します。
製品化できなければ、世界を変えられない
Kairo を製品化するには、設計プロセスから市場投入までを導くパートナーを見つける必要がありました。そこで選ばれたのがアヴネットです。 「アヴネットが、製品のコストプロファイルの最適化を支援します。 また、お客様が最適なコンポーネントを調達し、 最適な製造パートナーを見つけるお手伝いをします。 そして、製品を市場投入するまでを後押しします」と、Ubicquia 担当のアヴネット FAE(フィールドアプリケーションエンジニア)であるチャック・ルーミス(Chuck Loomis)は述べています。
「アヴネットの担当 FAE は、Ubicquia の研究所で私たちと一緒に作業し、コンポーネント調達を手配するなど、本当に素晴らしい仕事をしてくれています」とジマーマン氏は話します。 「さらに FAE は、コンポーネントをアヴネットのラインカードと相互参照して、安定した供給と量をチェックします。これにより、製品を完成させるまでの意思決定プロセスが大幅にスピードアップしました。」
ジマーマン氏は、Ubicquia のような小規模なスタートアップ企業にとっては「夢物語でしかない」アヴネットのグローバルなスケールと物流にも感心しました。
スマートテクノロジーがよりスマートに
アヴネットは開発中の Ubicquia に対し、製品をオンラインでカスタマイズできるようにしてはどうかと提案しました。 「Kairo は基本的に、それぞれが異なる機能を持ったボードを積み重ねた製品です。 必要な機能に応じて、ボードを追加したり取り外したりするだけです」と、アヴネットのアカウントマネージャーであるマット・ボッサース(Matt Bossaers)は説明します。 「現在では、顧客がオンラインでさまざまなボードをクリックし、ドラッグ&ドロップして、ニーズに合った製品を作成することができます。」
「アヴネットが教えてくれたのは、製品の作り方だけではありませんでした」とジマーマン氏は言います。 「より良い製品を作る方法も示してくれました。」
その結果、両チームが誇りに思うことができる製品が誕生しました。 「ジマーマン氏や Ubicquia のスタッフのような人と関わり、このような製品を作り出せるのは、アヴネットにとっても特別なことです」と FAE のルーミスは述べています。 ジマーマン氏も同じ思いです。
「自宅のガレージで毎晩開発に取り組んでいた頃に思いを馳せ、そしてこの製品が世界に与えるであろうインパクトの大きさを考えると、このビジネスに参入した当時の決意が強まるのを感じます。」